model9000のブログ

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貴方を恨んでない、といえる勇気

いきなりかもしれないけどわたしはラップが好きで、Creepy Nutsが好きで、R指定の圧倒的な言葉遣い力に心底惚れぬいているんですが、最新アルバム「かつて天才だった俺達へ」に収録されてる「Dr.フランケンシュタイン」という曲に心底やられてしまいました。 

あとヒプノシスマイクはどひふとさぶいちが好きです。(わかりやすい……)

 恨み言って、恨んでいる人間がいるならば誰でもきっと吐けるのだけれど、そんな人を前にして「恨んでない。貴方のおかげで私がいる」と言えるのは、その人の強さだとおもう。こんなこと簡単には言えない…。

 ただ、この「恨んでいない」という言葉も、時が進むにつれて一層悲痛さを帯びてくるRの声と、軋んでいくメロディで、決して「許している」訳ではないことを痛感させられる。

 だって許しているなら、ラストの締めが最初と同じ言葉で締めくくられるはずがない。

 継ぎはぎだらけの整えられていない身体で生まれさせられて、「恨んでいない」といいながらも、その身体を抱えて「元の形がわからない」「元の居場所がわからない」と彷徨い続ける嘆きで終わるわけがない。なんにも前進していない……。

 かつて天才だった俺たちへで、「似たような形に整えられて見る影もない」と人々への憐みさえみえるけれども、Drフランケンシュタインで「歪な自らを誇れない 整えられてきたからです」で世間と言う鋳型に対しての哀しみをみせる。

 ってか「下手に身の丈以上を望めない」ってたりないふたりでも身の丈のこと散々言ってたからめちゃくちゃ棘として今も引っ掻き回されているんだろうな……。他人に与えられた呪いであり、今も自分でかけ続けている呪いのような気がする。とても身に覚えがある……落ち込んでしまう……。

はぁ…インセプションみたから言葉を植え付けるってことがどれだけヤバいことなのか余計に意識してしまうな……。

 

 やっぱり恨んでない、と言えるのはこれ……強さなのかな……でも強さではあるよな……。

 他人に笑われながら、ほんとうに苦しみ抜いて、でも自分の力で立ちあがって、ときたまぐらぐらする足下に心を乱されながらも歯を食いしばって耐え抜いてきた人って、同じような立場にいる人を励ましたいっておもうようになるものなのかな。

 サントラとかつて天才だった俺たちへ、のつきぬけて爽やかなメロディと歌詞を見比べながらちょっとだけおもった。

けどまぁなんだよcreepy Nuts、爽やか路線にいっちゃってさ~と揶揄するような人々を「ヘルレイザー」とか「耳無し芳一style」で一気に黙らせるこの振れ幅が大好きだ……。ほんとうに贅沢なアルバムだな……大事に聞こう……あぁ、ヘルレイザー観たいな……。(元ネタ、映画のヘルレイザーであってるよね……?)

 

 

 フランケンシュタイン、ひとりの夜に聞きたい曲。この曲が心底刺さって泣いてしまうような人がわたしの周りにいませんように。