おいでよ!マリン☆ユートピア 感想
紅鶴マリン☆ユートピアへの遠足へ向かう紅鶴生。
というか、遠足! 遠足なんて言葉、何年越しに聞くんだろう。ソッコー声かけてグループ作れてしまうゴールド生はコミュ力がつよつよすぎてすごいな……人生のお手本だな…。
まひる・零士のメリパ組にノエルが入るのも新鮮だし、創真・ぼんのシアベル組におぼろが入るのも珍しい取り合わせで楽しかった…。マリピアイベントを読んだ後で、公式コミカライズのまひる回を読むとここのSLあげたい!!ってなりますね…!
イベント見てSLあげたくなったコンビが他に何組いるか……。
あと個人的に笑っちゃったのが創真の
「おぼろとケンカをするつもりだった」
いや秒で勝敗がつきそうなんですけど。
博愛精神平等主義者とみせかけて喧嘩とか使ったりダンキラ吹っかけたり目的を達成する負けず嫌いなところ、創真が時々みせる子供っぽさが好き…かわいい…生きてる…栽培組ありがとう……。
続きはチャレンジ魂!×マリン☆ユートピアです。(なぜか連載みたいになってる……)
「むむ……むむむ…むむむ…!」
先程までは大声で「大物っ! 来おおおおおいっ!」と叫んでいた二人が今度は唸っている。
アカアマダイを賭けたダンキラ勝負には僅差で敗北し、おぼろに「大きな声を出すと魚さんは逃げちゃうとおもうよ……」とアドバイスを受け、しかしこの二人が揃って無言で待っていられるはずもなく、「叫ぶのではなく、ありったけの念を込めるのだ! 朝日!」「おう! 光国! ぐぬぬ~~~!」となり、すこし異様な光景を少し離れたところで聖人が苦笑しながらみている。さながら元気いっぱいの孫をやさしく見守るおじ……いえ、お兄さんです。
「イメージしろ、朝日! イメージは俺達の力になる! 大物を釣り上げるという気持ちと根性があれば、俺達に為せぬことなどない!」
「大物~~~……! 大物~~~……!!」
「俺達に課せられたミッションの重さをおもいだせ! やればできる…! できるぞやれば!」
あぁ、熱血少年漫画特有のハッキリとした主線と汗を際立だせる顔の斜線がしっかり二人に刻まれているのがみえる……今日も紅鶴学園きってのハリキリボーイ二人組は絶賛フル稼動中である。
「ミッション、ってなんですか…?」
興味本位でゆかりが聞くと、光国はよくぞ聞いてくれました、といった風に胸を張って答えた。
「今日の夕食はバーベキューだろう? だから、その席をもっと豪華にしようではないか……! と、朝日と話をしてたのだ。この釣り堀で、皆があっと驚くような大物を釣り上げる!」
「なるほど、だから釣り堀に……」
「クイズラリーの景品は紅鶴学園都市の美食だって零士ははりきってたけど、クイズはなぁ……」と口ごもる。
「オレ、頭を使うのは苦手だし!!」
ドヤァ! とソラが誇らしげに宣言する。
「つまり『適材適所』というやつだ!!」
ドドヤァ! と光国がぐっと拳を握る。勉強が苦手な者どうしぴったり息があっている。
「なるほど…そうだったんですね! そういうことなら、ぼくもお手伝いします!」
「そういうことなら、俺も一肌脱ごうかねえ」
クイズラリーのほうは、カキをゴールド生みんなに振る舞いたいといっていた創真とぼんに任せるとして……と考えた聖人は、ふふ、と笑みを漏らす。ゆっくり釣り堀で一日を過ごすつもりが、いつの間にか楽しい事に巻き込まれている。人の和に入れるという安息感……まるで夢のようで……、嬉しいことに現実なのだ。
「あ、ああーーっ!」と突然ソラが大きな声をあげた。
「なんだ?! 大物か?!」
「光国、オレ、魚の動きを取り入れたリズム体操おもいついた!! 名付けて『ピチピチリズム体操』!」
その言葉通り、水の中をしなやかに踊る動きをみながら光国は感心したように呟く。
「ふむ、古来から人は豊漁や豊作の祈りを舞に込めたという……よし、俺にもその『ぴちぴちりずむ体操』とやらを教えてくれ!」
「オッケー! じゃあまずは、魚の泳ぐ姿をイメージして……ランニングマンしながら腕はスイムスイム!」
「こうか!」
「次は釣り上げられた魚をイメージ! 大、大ジャーンプ!!」
「こうだな?!」
「からの~~~手をついて、ドルフィン!! ぴちぴち跳ねる!」
「なかなか激しいな……!」
釣り堀を前になぜか踊りまくるソラと光国をみて、「青春だねえ……」「青春…なんですか……?」と聖人とゆかりは針を投げる。
しかし先刻のアカアマダイを賭けたダンキラ、そしてこのピチピチリズム体操のもたらす振動よって、釣り堀のヌシが深い眠りから目覚めて浮上してきたことを、そして3時間の死闘を繰り広げる羽目になろうとは、この時の彼らはまだ知らない……。